私は乳製品が特に好きで、毎日ヨーグルトやチーズを食べますし、牛乳も飲みます。
最近ずっと食中毒を調べて記事にしていたのですが、乳製品に関わる食中毒はどんなものがあるのか調べてみました。
やっぱりあるんですよね。それも症状も重く怖いのが。
今回はナチュラルチーズなどの乳製品、生ハムなどの食肉加工品、スモークサーモンなどの魚介類加工品などで起こることがある食中毒、リステリアについて調べてみました。
リステリアによる食中毒
リステリア菌の正しい正式名称はリステリア・モノサイトゲネス。
自然界に広く分布しており、河川水や動物の腸管内などに存在しているそうです。
日本では推定患者数は年間200人ほどですが、アメリカでは毎年約2,500人の重症患者をだし、そのうち約500人は命を落としています。
また、欧州ではEU加盟27カ国から約1,700人の確定患者が報告がされ、患者数は年々上昇し、2012年より8.6%も上昇しています。
日本の研究者の方も、今後しっかり気をつけてほしい菌はリステリアだと報告されています。
気をつけたい食品
欧米ではナチュラルチーズなどの乳製品や生ハムなどの食肉加工品、スモークサーモンなどの魚介類加工品やコールスローなどのサラダなどでリステリアによる集団食中毒が発生しています。
食文化は日本と違いはありますが、私たち日本人も近年では「食の欧米化」が進み、食べているものは大差が無い気がします。
やはり、今後は特に注意が必要ですね。
また、国内では乳製品、食肉加工品や魚介類加工品などから、とても菌数は少ないですがリステリアが検出されています。
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気をつけたい食品
- 未殺菌の牛乳
- ナチュラルチーズ(モッツァレラ、カマンベール)などの乳製品
- 生ハム、サラミなどの食肉加工品
- スモークサーモン、スモークムール貝などの魚介類加工品
- サラダ(コールスロー、コーンサラダ、ポテトサラダ)
- 冷凍野菜
リステリア食中毒の症状
リステリア菌は健康な方に感染してもほとんど症状が現れることはないそうです。また免疫が正常なこどもや成人は、現れたとしても胃腸炎の症状のみで、重症になったりせず、特別な治療をすることなく自然に治ります。
何故、死者がでてるの?といった疑問が起こりますよね。
ここからがとても大切です。
リステリアは妊婦や赤ちゃん、高齢者が危ない
リステリアの食中毒による死亡率は20%ととても高く、妊婦さんや赤ちゃんに感染すると流産や死亡に至る可能性もあります。
リステリア菌は健康な方に感染してもほとんど症状が現れることはありませんが、妊婦さんの場合、一般には妊娠第3期(28週~40週ぐらい)に感染しやすいといわれています。
突然の発熱で感染に気付くことが多いですが、3人に1人は感染しても症状が現れないこともあるそうです。
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主な症状
- 発熱
- 背部痛
- 頭痛
- 吐き気や嘔吐
- 筋肉や関節の痛み
- 喉の痛
症状が現れた妊婦さんのうちの50%が早産、そして10%~20%が自然流産、10%が子宮内胎児死亡に至るといわれています。
赤ちゃんが感染してしまうと、生後1週間以内での感染は死亡率は40%、生後2ヶ月以内では死亡率3%に加え髄膜炎などの症状を起こします。
リステリア感染症の治療
治療方は病院で入院になります。
抗菌薬(ペニシリン系の抗生物質)点滴を行います。
妊婦さんの場合は、早期の診断と抗菌薬による治療が健康な赤ちゃんの出産に繋がります。
突然の発熱がサインなので、妊婦という状況なので「ちょっと熱っぽいかな」で終わるのではなく、受診しましょう。
受診するのは通常でしたら内科ですが、妊婦であれば産婦人科がいいでしょう。産科医のほうが妊婦に使える薬を熟知しています。
リステリアの予防法
リステリア菌食中毒の予防法になります。
- リステリア菌は熱に弱く、加熱により死滅するので、生の肉など加熱が必要な食品は中心まで十分に加熱しましょう。
- リステリア菌は冷蔵庫の中でもゆっくりと増殖します、冷蔵庫内に長期間保存しないようにしましょう。冷蔵庫内で長期にわたって保管していた食品は必ず加熱してから食べましょう。
- 生肉や魚介類にさわったら、よく手を洗いましょう。生肉や魚介類に使った調理器具は、使い終わったらすぐに洗い、洗った後で熱湯をかけると消毒効果があります。
- 包丁やまな板を使うときは、先に生野菜などの加熱しない食品を切り、生肉や魚介類は後で切りましょう。生肉や魚介類に使った包丁やまな板と調理済みの食品がふれないようにしましょう。
- 肉や魚介類の汁が、生で食べるものや調理済みの食品にかからないようにしましょう。
- 感染しやすい妊婦や高齢者などは、過去にリステリア食中毒の原因となった食品の飲食は避けることをおすすめします。
妊婦の気を付けたい食事の動画です。リステリア以外にも注意すべきことが知ることができます。
さいごに
リステリア菌の食中毒は健康な方であれば、免疫力で何事も無く撃退するでしょう。
しかし、妊婦や赤ちゃん、高齢者の死亡率は食中毒とは思えないほど高いものです。
食中毒は起こってからの治療法より、起こる前の予防法こそが大切です。
ご家族に妊婦や赤ちゃん、高齢者がいるのであれば、この記事をシェアしてあげて下さい。リステリアの可能性がある食事は家族全体で理解し、避けることが最大の予防に繋がることでしょう。
食中毒や食あたりに関するまとめ