夏の暑い時期に起こる食中毒に、黄色ブドウ球菌というものがあります。

画像のように顕微鏡でみると、ブドウの房状の形をしていることから、この名が付いたようです。

おにぎりや弁当を食べて起こすことが多い食中毒なのですが、原因は食材にあるわけではなく、人の手が原因になって起こる食中毒なのです。

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黄色ブドウ球菌は何処に潜んでいる?


黄色ブドウ球菌はとても身近な細菌で成人の2割~3割ぐらいは皮膚や鼻腔内、頭髪にも宿しています。

また哺乳類や鳥類の皮膚や粘膜などにも存在しています。

では、何故そのような身近な細菌が食中毒を起こしてしまうのかが気になりますよね?

それは、黄色ブドウ球菌は食品の中で増殖するときにエンテロトキシンという毒素を発生させます。

ブドウ球菌自体は熱に弱く加熱することにより死滅しますが、エンテロトキシンは酸に強いため胃の中でも消化されずに残ってしまうのです。

そして胃や小腸に吸収され、食中毒という形で症状をもたらします。

エンテロトキシンとは

腸管毒とも呼ばれ、腸内の細菌が放出する毒素になります。
一般的に酸やアルカリ性に強い耐性を持ち、黄色ブドウ球菌の他にも

  • サルモネラ菌
  • ウェルシュ菌
  • セレウス菌

これらの細菌からも放出される毒素になります。

黄色ブドウ球菌が原因で食中毒が起こるのではなく、細菌が放出する毒性物質が原因であることが解明されたため、エンテロトキシンと命名されたようです。

食中毒黄色ブドウ球菌の症状

潜伏期間は1時間~5時間と食中毒の中でも、早く症状が出る部類になります。

  • 吐き気や嘔吐
  • 下痢や腹痛

細菌が原因による食中毒の中では珍しく、発熱はあまりみられません。発熱しても微熱で治まります。

また、重症化することも少なく特別にリスクを伴う食中毒ではありません、健康な方であれば数時間~2日間ほどで症状は回復します。

黄色ブドウ球菌食中毒の治療法

それほど深刻化する症状がでるわけではありませんので、特別な治療法は無く、症状がひどいようであっても対症療法で様子を見ることがほとんどになります。

時期的にも夏に起こる食中毒なので、下痢や発汗で失われた水分を補給することが大切です。

脱水症状を起こしてしまうと、どうしても免疫力が低下してしまうので、夏風邪などをひいてしまうことの方が怖く注意が必要になります。

この時期は黄色ブドウ球菌だけでなく食中毒が起こりやすい季節でもあります、お腹の調子が悪く食中毒のような症状(下痢や腹痛、発熱)が表れたら、内科を受診すると良いでしょう。

子供の場合は、時期的にも子供特有の夏風邪の疑いもあるので小児科が良いでしょう。

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黄色ブドウ球菌は食中毒だけじゃない

とびひ(伝染性膿痂疹)といわれる、水疱性の発疹を起こす原因にもなります。

とても強いかゆみを伴う発疹で、かゆみで掻いてしまうと発疹が広がってしまい悪循環を起こす厄介な発疹です。

原因はこの時期に起こる、虫刺されや汗疹(あせも)を引っ掻いて、その引っ掻い皮膚から黄色ブドウ球菌が侵入し感染します。

主な治療は抗生剤を使用しますが、その際には抗生剤への抵抗性を確認してから使用するかどうかを判断します。

また抗菌薬の塗り薬を1日に数回ほど塗って治します。ひどい症状であればかゆみ止めの抗ヒスタミン薬を服用することもあるそうです。

黄色ブドウ球菌による病気を予防するには?

黄色ブドウ球菌による食中毒の場合

黄色ブドウ球菌による食中毒の報告件数は年々減少していますが、深刻化しない食中毒のため、報告されていないだけで件数はかなり多いと思われます。

深刻化しない食中毒でも予防するに越したことはありませんよね。

  • 手に傷がある時は調理をしない(手袋をラップを巻き、食品には触らない)
  • 手洗いをこまめに行う。
  • 食品の保存は冷蔵庫で行う(常温での放置は菌が繁殖します)
  • 髪の毛や唾液が食品に入らないように帽子やマスクをする。
  • おにぎりを作る場合にはラップをする。

とびひの場合

食中毒の場合は食品の扱い方が予防に繋がりますが、とびひの場合はご自身の衛生面を意識する必要があります。

鼻の穴はたくさんの菌がいます。その中に黄色ブドウ球菌も存在し、鼻をほじった後に傷付いた皮膚を触るととびひにかかってしまう可能性があります。

  • あせもや湿疹を防ぐために体を清潔に保ちます。
  • 爪はこまめに切る(やすりで滑らかにするとさらに良い)

爪には細菌や雑菌がたくさん宿してしまいます、また些細なことでも皮膚を傷つける原因になってしまい、その傷から様々な病気や感染症の菌が侵入するきっかけになってしまいます。

正しい爪の切り方は、意外と知らない方が多いです。この機会に覚えておきましょう。

さいごに

黄色ブドウ球菌は健康な人から検出されることもあり、身近な菌の一つです。食中毒やとびひの原因菌ではありますが、普段からしっかり予防など対策を立てていればそこまで恐れるような菌ではありません。

また食中毒になったとしても深刻な症状を起こすようなことはありません。ただ、黄色ブドウ球菌による食中毒が起こってしまった場合は、夏の疲れやストレスが溜まっているかもしれません、その他の病気にも注意が必要です。

黄色ブドウ球菌による食中毒やとびひの予防法は当たり前のようなことかもしれませんが、その他の病気や感染症を防ぐのにも非常に有効です。

ぜひ習慣にし、その他の病気や感染症にもならない暮らしを作りましょう。
食中毒や食あたりに関するまとめ

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