O157と呼ばれる食中毒はご存じでしょうか?最近はあまり聞かなくなりましたが、夏になると集団食中毒を引き起こしニュースや新聞などで世間を騒がせる食中毒です。

腸管出血性大腸菌(ちょうかんしゅっけつせいだいちょうきん)と呼ばれるカテゴリーに属する、O157(オーイチゴーナナ)という大腸菌になります。

O157が世間に広く認知されたのは、1996年の7月に死者3人を含む7996人の集団食中毒が起こり、ここでマスコミが大きく取り上げたことからO157の名称が広まりました。

感染経路はカイワレ大根とされたのですが、後の検査でカイワレ大根は無関係とされ、風評被害を受けた生産者に破産や自殺などが相次ぎ社会問題にもなりました。結局のところ原因はわからず仕舞いで終わってしまったのです。

私も当時、飲食店でアルバイトをしていて、カイワレ大根が市場から消えたのをよく覚えています。今回はそんな食中毒O157を掘り下げていきたいと思います。

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O157の感染経路


冒頭でも触れた、死者3人を含む7996人の集団感染も感染経路は謎のまま終わってしまっているのですが、O157は基本的には食材を特定できるケースが少なく、断定するのが難しい食中毒です。

最近では2014年の7月にO157の集団食中毒が起こってしまったのですが、患者数は510人そのうち114人は入院という、大きな規模の集団食中毒です。

この時は、花火大会の露店が提供した「冷やしきゅうり」と断定されました。当日の朝に仕入れたきゅうりを浅漬けとして提供していたそうです。

そもそもO157は何処に潜んでいるかというと、牛や豚の大腸にいるのです。家畜の便から水や食物を介して感染するのです。きゅうりから発生したのではなく、何かしらの経路をたどって、O157がきゅうりに付着してしまったと考えられます。

O157による食中毒が起こりやすい時期

O157の発生のピークは7月~9月なのですが、比較的に寒さにも強い菌なので春から秋にかけて発生します。

O157の特徴は

  • 75度以上の熱にひじょうに弱く、低温には強い
  • 水分、栄養、温度の3つの条件が揃うと増殖
  • 感染力は非常に強い

一般的な食中毒は、侵入を許した細菌の量は10万個~100万個で症状が発生しますが、O157では100個程度でも症状が出てしまい、細菌による食中毒の中でも感染力はトップクラスです。

O157の症状

O157にかかりやすい年齢は特になく、広い年齢層で発症します。特に3歳以下の乳幼児や高齢者は、重症化や合併症を起こしやすく、死亡することもあるため、特に注意が必要です。

主な症状

  • 下痢や激しい腹痛
  • 食中毒の定番の症状、血便がでることもあります。

  • 発熱
  • 一過性でほぼ微熱です。

  • 溶血性尿毒症症候群(HUS)
  • 溶血性尿毒症症候群(ようけつせいにょうどくしょうしょうこうぐん)hemolytic uremic syndromeの略でHUS

    簡単に説明しますと、赤血球の減少による貧血、血小板の減少による出血が止まりにくい、腎臓の機能の低下などがHUSになります。

  • 脳症
  • 頭痛、傾眠、不穏、多弁、幻覚

O157感染症が怖いのは、O157が出すベロ毒素が溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症を起こすからです。

これらは治療が難しい非常に危険な状態です。しかし、同じようにO157に感染しても、知らないうちに治ってしまう人もいます。

成人のほとんどは、特別な治療を行わなくても、5~10日間で症状はなくなります。

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ベロ毒素とは

  • 名前の由来は
  • ごくわずかな量で、実験に使われる培養細胞のベロ細胞(アフリカミドリザルの腎臓の細胞)を殺してしまうことから、ベロ毒素と名付けられたそうです。

  • 作用は
  • ベロ毒素は細胞のタンパク質の合成を止め、細胞を死滅させます。ベロ毒素は、腎臓や肺、脳にも障害を起こします。

  • ベロ毒素の種類は
  • ベロ毒素には、1型と2型があり、1型は赤痢菌がつくる「志賀毒素」と同じ毒素で、2型は1型より強い毒性を持つ毒素です。O157には、1型毒素のみ作るものと、1型と2型の両方を作るものとの2種類があります。

    O157の潜伏期間と感染期間、人にうつす危険も

    潜伏期間とは菌が混入した飲食物を摂取してから、発症するまでの期間です。

    O157は多くは2日~5日ですが稀に9日と潜伏期間が長いこともあります。潜伏期間が2日以上あるのも感染経路を特定しにくい理由のひとつです。

    5日~10日間で症状は回復しますが、感染中は便を介し他人にうつる危険もあるのでトイレは衛生的に心がけましょう。

    また、症状が回復後もO157は体内に残っているため、回復後の2週間は注意が必要です。

    O157食中毒の予防法


    O157に限った話では無いのですが、日常から食中毒への予防に繋がる方法になります。

      食品の購入

    • 新鮮なものを購入する。
    • 消費期限を必ず確認する。
    • 食品売場などで肉や魚などの生物は、買い物の最後に購入する。
    • 肉や魚の水分がもれないように分けて包む。
    • 家庭での保存

    • 持ちかえった食品はすぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れる
    • 冷蔵庫の詰めすぎや重なりに注意する。冷蔵庫は10度を目安、冷凍庫は-15度を目安にする。
    • 下準備

    • 井戸水の使用は、水質を検査しておくべき。
    • 肉の汁が他の食品にかからないようにする。
    • 野菜はよく洗ってから調理する。ブロッコリーやカリフラワーなど形が複雑なものは念入りに
    • 室温での解凍は控える。
    • 料理に必要な分だけ解凍し、解凍後はすぐに調理する。
    • 調理

    • 調理を中断する場合は、冷蔵庫に入れる。
    • 電子レンジを使用する場合は、熱の伝わりが悪い(片面だけや上部だけ)ものは途中でかき混ぜて十分加熱する。
    • 食事

    • 温かくして食べる料理は常に温かく、冷やして食べる料理は常に冷やしておく。
    • 調理前後の食品を室温で放置しない。
    • 残った食品

    • 残った食品は、早く冷えるように小分けして冷蔵庫に保存する。
    • 時間が経ち過ぎた場合は、無理して食べない、捨てる。
    • 食品を温め直す場合は十分加熱する。
    • 怪しいと思った食品は口に入れずに捨てる。

    当たり前のようなことばかりですが、このような当たり前のことが食中毒の予防に繋がります。

    さいごに


    私もよくやってしまうのですが、賞味期限が数日経ったものでも勿体無くて食べてしまうことです。

    「勿体無い」の精神は日本人の美徳で素晴らしいかもしれませんが、時間が経ったものは思い切って食べずに捨てましょう。

    大切なのは、捨てなくてもいい計画的な買い出しと、計画的な調理です。
    食中毒や食あたりに関するまとめ

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